薬剤師ゆうの薬の話薬の話~一般・副作用~

5歳からのスギ舌下免疫治療はもう少し先

前回の2018年春の花粉飛散情報の続きとして、今回はスギ舌下免疫治療についてのお話です。

12歳以上のスギ花粉に関しては"シダトレン"というスギ花粉のエキスを舌の下に滴下する治療を3~5年続けることでスギ花粉に対して免疫を付け、スギ花粉に対しては8年くらいなら薬を飲まなくても花粉飛散の時期にすごせるかもしれない、という治療が2014年秋からできるようになりました。

この舌下免疫治療は、毎日少しずつスギ花粉の成分を体に入れていくことでスギ花粉が体内に入ってきた時に異物として攻撃する体制を崩していこう(=免疫をつける)ということです。

まず最初の治療は異物であるエキスをダイレクトに体内に取り入れることによって万が一アナフィラキシーショックが起きた時等に備えて、病院で行います。

舌の下に滴下したエキスを飲み込まずに2分間そっとしておき、その後に飲み込みます。

これを最初の2週間で徐々に増やしていき、3週目からは同じ量の薬を毎日舌下投与します。(1回目で問題なければ以降は自宅での滴下になります)

これは12歳以上の患者さんに向けての治療ですが、これが5歳から治療が始められる薬、しかも液体ではなく錠剤(舌下錠)、室温保存(シダトレンは液体で冷所保管)、さらにシダトレンより高濃度にエキス成分が入っているという使いやすい"シダキュア"という薬が現在発売に向けて現在進行形で進んでいます。

販売元の鳥居薬品(株)によると販売することは認められたものの実際に世の中に流通させるのは少し待って、ということで11月以降の発売になるということが正式に発表されました。

こういったエキスを入れていく治療は花粉症シーズンがはじまる3ヶ月~6ヶ月くらい前から導入したいので、今シーズンに向けての舌下錠での治療はかなり厳しいという判断が無難でしょう。

我が家は花粉症一家ですが、スギだけではなくヒノキやらブタクサなど春だけではなく秋まで花粉症状がでることもあって、生憎のところこういった治療は視野に入れていません。

もちろん、こういった免疫治療を入れることでもしかしたら目薬の本数が減るかもしれないし、もしかしたら薬を飲む期間が短くなるかもしれないという医療費の削減は考えられないことはないけれど、こういった免疫療法も保険診療ということを考えれば我が家のようなオールシーズンに近い花粉症というかもはやアレルギー性鼻炎レベルの人間にとっては現実的には視野に入れられない治療になるわけです。

血液検査でスギに対して反応が強く出た方には検討の余地がある舌下免疫治療でしょう。

(訳の分からないカプセルを飲んだりする民間療法よりはよっぽど理にかなった治療法ですよ。。。)

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5歳からのスギ舌下免疫治療はもう少し先

前回の2018年春の花粉飛散情報の続きとして、今回はスギ舌下免疫治療についてのお話です。

12歳以上のスギ花粉に関しては"シダトレン"というスギ花粉のエキスを舌の下に滴下する治療を3~5年続けることでスギ花粉に対して免疫を付け、スギ花粉に対しては8年くらいなら薬を飲まなくても花粉飛散の時期にすごせるかもしれない、という治療が2014年秋からできるようになりました。

この舌下免疫治療は、毎日少しずつスギ花粉の成分を体に入れていくことでスギ花粉が体内に入ってきた時に異物として攻撃する体制を崩していこう(=免疫をつける)ということです。

まず最初の治療は異物であるエキスをダイレクトに体内に取り入れることによって万が一アナフィラキシーショックが起きた時等に備えて、病院で行います。

舌の下に滴下したエキスを飲み込まずに2分間そっとしておき、その後に飲み込みます。

これを最初の2週間で徐々に増やしていき、3週目からは同じ量の薬を毎日舌下投与します。(1回目で問題なければ以降は自宅での滴下になります)

これは12歳以上の患者さんに向けての治療ですが、これが5歳から治療が始められる薬、しかも液体ではなく錠剤(舌下錠)、室温保存(シダトレンは液体で冷所保管)、さらにシダトレンより高濃度にエキス成分が入っているという使いやすい"シダキュア"という薬が現在発売に向けて現在進行形で進んでいます。

販売元の鳥居薬品(株)によると販売することは認められたものの実際に世の中に流通させるのは少し待って、ということで11月以降の発売になるということが正式に発表されました。

こういったエキスを入れていく治療は花粉症シーズンがはじまる3ヶ月~6ヶ月くらい前から導入したいので、今シーズンに向けての舌下錠での治療はかなり厳しいという判断が無難でしょう。

我が家は花粉症一家ですが、スギだけではなくヒノキやらブタクサなど春だけではなく秋まで花粉症状がでることもあって、生憎のところこういった治療は視野に入れていません。

もちろん、こういった免疫治療を入れることでもしかしたら目薬の本数が減るかもしれないし、もしかしたら薬を飲む期間が短くなるかもしれないという医療費の削減は考えられないことはないけれど、こういった免疫療法も保険診療ということを考えれば我が家のようなオールシーズンに近い花粉症というかもはやアレルギー性鼻炎レベルの人間にとっては現実的には視野に入れられない治療になるわけです。

血液検査でスギに対して反応が強く出た方には検討の余地がある舌下免疫治療でしょう。

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