子どもの咳止めからコデインが消える日
先日の報道で、厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課では、鎮咳薬などとして用いるコデインを含む医療用と一般用の医薬品について、小児への処方を制限する添付文書の改訂を検討していることが発表されました。
結論は2017年6月を目安としているようですが、市販薬を含めると600品目近くの薬がアウトになる可能性があります。
その理由は、ごくごく稀にですが、重篤な(命を脅かす恐れのある)呼吸困難の副作用を起こす可能性があることが分ってきたからです。
海外では既に処方制限をかけていたり、論文等で勉強されている小児科医や呼吸器を専門で見ている医師の間では既に子供(大人にも)には使わなくなっているコデインに関してようやく法で制限できるようになったとも言えます。
いわゆる"コデイン"は麻薬系中枢性鎮咳剤と呼ばれ、無理やり力づくで咳を止める方向で働く咳止めになります。
なので痰がでたりしている時に咳をすることで空気の通り道を確保して酸素を供給できているところを無理やりコデインで止めてしまうと、、、、
そういったことから、もともとコデインの副作用の1つに呼吸苦というのが入っています。
濃厚ブロチンコデインという茶色い液体を薄めて飲む咳止めも既に発売中止になっているのでおそらくこのまま厚労省の意向で一部の制限はつくことになるでしょう。
ただ良い面もあり、例えばリン酸コデインはコデイン特有の副作用の1つである便秘を逆手にとって、ひどい下痢の状態の時に使われたりするので完全に製品化がストップすることはないかと思います。
販売の妨害をするつもりはないので、ここでコデインが含まれている市販薬を列挙することはしませんが、お子さんの咳を簡単に考えずにきちんと受診することを強くお勧めます。
【追記】
その後、12歳未満の小児への処方を制限する方針が決まりました。2018年度末までは、経過措置期間として小児への使用を避ける注意喚起を行い、19年度からは全てのコデイン含有製剤を対象に投与を禁止することがきまりました。