血圧の薬は一生飲むの?
血圧を飲み始めることになった方、また飲み続けている方から聞かれるのは
”こういう血圧の薬って一生飲まないといけないんでしょ”
う~ん、分かりません・・・
そもそも血圧というのは、心臓から送り出される血液の流れによって、動脈が内側から押される圧力を血圧と呼びます。
皆さんが上の血圧と言っているものは”心臓が収縮する時の圧力(収縮期血圧)”、そして下の血圧は”心臓が拡張する時の圧力(拡張期血圧)”の状態で、通常寝ている間は低く、日中は高めというように24時間の中で変動しています。
*WHO(世界保健機構)、ISH(国際高血圧学会)では数年毎に血圧の分類は見直しをし、2007年9月現在では、120/80が至適血圧、130/85未満が正常血圧とされています。
そして140/90以上が高血圧と呼ばれるようになり、この数値は年々厳しくなっています
もちろんこれに、ストレスなどの心理的要因、暑さ寒さなどの環境なども絡んでくるので、血圧がいつでも一定という人はいません。
ただし、その変動している具合が、その方の合併症なども踏まえたうえで医学的にまずい、となると投薬開始となりますが、一部の病気を除いて、通常の高血圧という段階ではこの時点で一生飲むことが決まるということは滅多やたらとあるもんではないです。
だからといって、あなどってはいけないのが血圧
高血圧は放置しておくと、様々な病気を引き起こす引き金にもなります。
できるだけ早期から適切な治療を受けることが必要です。
*現在ではむやみに下げるのではなく、その方の年齢、合併症によって細やかに治療されるようになってきています。
そして薬を飲み始めると冒頭の疑問が生じてきます。
私が見てきた例では、
ずっと同じ薬を飲み続けている方もいます
飲んでいる薬の種類が徐々に減ってきている方もいます
徐々にお薬を減らして、飲まなくても問題なくなった方もいます
というように様々なバリエーションがあります。
もちろん薬が減ったり、飲まなくなったり、という方の背景には、ストレスがなくなったり、運動により体重を落としたり、食事からの塩分を控えるように食生活を改めたり、という色々な事情があります。
一番避けたいのは、血圧が下がってきているから、といって自己判断で薬をやめてしまうことです。
血圧が下がっているのは薬を飲んでいたからかもしれません。
ダイエットのリバウンドじゃないけれど、血圧のリバウンドは体に大きな負担になってしまいますし、時には命を脅かすことにもつながります。
自宅での測定を続けながら、定期的に医師の診察を受けて、しっかりと血圧コントロールをしてください。
一生飲まなくてはいけないかどうか、それは病気の種類と貴方次第です。