ダーゼンの効能はどうなるのか?
2011年1月20日の読売新聞朝刊に掲載されていた”武田薬品工業のダーゼンが再確認試験にて効果が認められない可能性があることが厚生労働省の医薬品再評価部会で報告されていた”という記事を読んでドキッとされた方、いらっしゃるのではないでしょうか?
かくいう私もその1人
もちろん薬剤師側という立場もありますが、一方でダーゼンを愛用?している患者側としての側面もある私
まずは薬剤師の立場からこの件をみてみると・・・
記事全体を読んだところ、決定的に効果なしという判断までには今回は至らなかったようですが今後継続審議が行われるということですし、ダーゼンの添付文書(メーカーが提供する薬の説明書きの公文書のようなもの)では”本剤の体内での作用機序はなお解明されていない点も多く、また、用量・効果の関係も必ずしも明らかにされていない。従って漫然と投与すべきでない”という記載もありますから、もしかしたら以前の脳代謝賦活剤のように効能なしという判断が下されることもありうるかもしれません。
そして気になると言えば、記事にあった”気管支喘息の痰切り”としての効用だけがなくなるのか、それ以外の全ての効用(副鼻腔炎や乳汁による腫れの改善)がなくなるのかそのあたりも気になるところ
武田側がノーコメントということなので、1つの新聞記事を読むだけでどうこういうのは難しいところですが、今の風邪のシーズン、あちこちでダーゼンが処方されているだけに悩みます…
それにダーゼンには既にジェネリック医薬品も販売されているわけだし、似たような薬の審査も検討されているようなので、しばらくこの状況を注意深くみていく必要があるようです。
とはいえ、こういった形でメディアにさらされていくと患者さん側には不安が募るのは事実。既に今日の段階でダーゼンを処方された方には簡単に新聞で取り上げられてはいるが、承認当時はきちんと当時の厚生省の審査を通っていること、またこの薬を飲んで効果があったという事実もあることをお話しています。
そして患者の立場からみてみると・・・
脳代謝賦活剤の時には年配の方が多かったせいか、意外と淡々とみなさん納得された様子を薬局や病棟では見受けられていましたが、実際のところ、心境的には複雑だったはず。
私個人的には、喉の痛みなどにダーゼンは効いていたので、もしダーゼンがなくなったらどうしよう…なんて思ってしまいますが、よくも効かない薬を処方していたわね!!なんて思う人もいるかもしれませんね。もしこの報道以降、処方された時に飲みたくないという気持ちがあれば、その処方医に相談してみることをお勧めします。医師の経験則はあなどれませんからね。
また今後の展開が何かあった時にはこちらのサイトでご連絡します。