能面薬剤師
【注意】あくまでも私見です。
薬剤師だって、薬が必要なら病院に行って診察受けて、処方箋を書いてもらわないと薬は手に入らない。
調剤薬局に勤めてれば、自分の勤め先で調剤してもらっても構わないけれど、私はあえて他の薬局へ行く。(病院勤務だと自分の病院以外の処方は調剤できないので最初からアウト)
その理由は?
答えは簡単。他の薬局、薬剤師を見たいから。なんか盗めるようないいこと、技に出くわさないかなぁなんて思いながら、最近も調剤薬局へ処方箋をもってのこのこと出向いていった。
入った瞬間・・・
ん?なんか変?大規模な薬局のわりになんか今までみた薬局と違う。なんだろう?
”こちらの薬局にかかるの初めてなんですが”と声をかけながら考える私。
わかった!静かすぎるんだ!!患者さんに話し掛けている薬剤師の声が淡々と、そして棚の上のテレビの一方的な音だけが響いているんだ。
何もワイワイ騒げとは言わない。具合の悪い人がいる場所なんだから。
でもさ、せめて挨拶くらいしようよ。
学校で習わなかった?挨拶という声かけをすることで、私(調剤薬局スタッフ)はあなた(患者)が来たことを認識しましたよ、ってことにもなると思うよ…。
そんなに不機嫌で仕事してるなんて、こっちも気分悪いよ。
そして、いざ呼ばれてみるとやっぱり薬剤師もまるで能面。
すっげぇ淡々と進む説明。まるっきり文章棒読みしてるだけじゃん。全部読まなくてもいいから、大事なところとそうでないところの強弱くらいつけようよ。
でもこの淡々とした薬剤師の気持ち、分からないでもない。
だって、自分だって時として無表情になるのを必至にカバーしようとするときがあるから。(本当にカバーしきれてるか?!)
大手の調剤薬局で働いている今、ひっきりなしに患者さんが来て、その対応を繰り返していると正直しんどいこともある。
調剤と違って、面と面が向き合っているからこそのストレスがある。
文句を言われたりするのは日常茶飯事。クレーマーだって来る。それでも言わなきゃいけないことは、言わないといけないし、伝えるべき事項、確認したいことはたくさんある。
それに投薬した患者さんの数だけ記録書きもある。もちろん他の業務も待っている。
そう、薬剤師、スタッフに余裕がないんだ。
もっと色々突っ込んで話を聞きたい、質問したがっている雰囲気の患者さんにうまい具合に誘導して質問をしやすい状況をつくらなければいけない、でも1人の患者さんに入れ込みすぎると、座って待っている患者さん達の目が痛い。
具合が悪いんだもん、他人のことまで構っちゃいられない気持ちも分かる。
全部を思い通りにすることなんでできない。
どうすりゃいいんだ?薬剤師の数を増やせば余裕がうまれて、ゆっくり服薬説明ができるのか?
でもそうそう、簡単に人員は増えない。
それにこんなジレンマは仕事をしている限り、職種に関係なく大なり小なりあるもんだ。薬剤師だけが特別ってことではないんだ。
じゃあ、どうする?
う~ん、思いつかない…。
そんな私が心がけていることがある。とてもとても簡単なこと。
何かって?
それは、患者さんと向き合う一番最初と最後に、挨拶をすること。
おはようございます、寒いですね、こんばんは、雨だから足元気をつけてください、お大事に、お気をつけて…。
最初に挨拶することで、新たな患者さんと向き合うという気持ちになる。
最後に挨拶することで、たとえクレームバンバンつけられても、つっけんどんな態度であたられても、もぎとるように薬を持ってお金を放り投げるようにおかれていっても(どの薬剤師にも同じことをするからある意味主義主張が通っているのかも…)、次の患者さんに影響でないよう幕引きする気持ちになれる。(なれないくらい痛めつけられることもあるけれど)
Not Be 能面薬剤師!!
明日も頑張ろう。